プログラミング工房 > HSP > Tips >

「かんたん入力」対応AHTファイルのかんたんな書き方(※1)(※2)

(1)

 「かんたん入力」機能で貼り付けたいスクリプトを用意し、HSP標準エディタまたはテキストエディタに入力する。

font "MS ゴシック", 12, 0

(2)

 入力したスクリプトを行ごとに二重引用符(")で囲む。元のスクリプトに二重引用符が含まれている場合、「\"」に書き換える。

"font \"MS ゴシック\", 12, 0"

(3)

 行ごとに先頭に「#ahtmes 」を追加する。

#ahtmes "font \"MS ゴシック\", 12, 0"

(4)

 二重引用符で囲んだ部分のうち、「かんたん入力」実行時に編集可能にしたい部分をすきな名前の変数に置き換え、「+」記号でつなぐ。このとき変数以外の部分は二重引用符に囲まれた状態が維持されるように注意する。

#ahtmes "font "+フォント名+", "+サイズ+", "+スタイル

(5)

 各変数を「かんたん入力」のダイアログで編集可能なパラメータとして指定するために、#define命令または#const命令で定義する。基本的に数値として扱ってほしい変数には#constを使い、それ以外の変数には#defineを使う。変数名の後ろの値はデフォルトの入力値として使われる。各定義の末尾には必ず「;;」をつけなければならない。

 この「;;」付き#const or #define命令は、編集可能なパラメータ(変数)がひとつも必要ない場合でも必ずひとつは入れておかないと、「かんたん入力」実行時にエラーが発生してしまうので注意。

#define フォント名 "MS ゴシック" ;;
#const サイズ 12 ;;
#const スタイル 0 ;;
#ahtmes "font "+フォント名+", "+サイズ+", "+スタイル

 このように定義した変数には「かんたん入力」のダイアログで専用のinputが表示される。また、変数の名前はinputの左側にデータ名として表示される。

(6)

 各変数について、「かんたん入力」のダイアログでの表示方法や入力方法を細かく指定するために、「;;」記号の後ろにオプションキーワードを追加する。

#define フォント名 "MS ゴシック" ;; mes,font,help="ボタンを押して選択。"
#const サイズ 12 ;; help="ポイント"
#const スタイル 0 ;;
#ahtmes "font "+フォント名+", "+サイズ+", "+スタイル

オプションキーワード例(※3)

mes :
inputに入力した内容がスクリプト内の変数名と置き換えられる時に前後に二重引用符が追加される。
font :
「かんたん入力」のダイアログで、フォント選択ダイアログを表示するためのボタンをinputの右側に表示する。このフォント選択ダイアログで入力されたフォント情報は、fontキーワードを追加した変数のinputおよびその直後2つのinputに入力される。
help :
「かんたん入力」のダイアログで、inputの右側に表示される補足情報。

(7)

 HSPインストールフォルダにあるezinputフォルダ以下のすきな場所に、「.aht」の拡張子で保存する。(※4)


(注)

※1

 「かんたん入力」についてはHSP付属の『プログラミングマニュアル1・基本仕様ガイド』(hspprog.htm)で、AHTファイルについては『AHT(Additional HSP Template & Tools)マニュアル』(aht.txt)で説明されています。

※2

このページの内容は、AHTマネージャ(Peasエディタ)対応のAHTファイルについては考慮していません。

※3

オプションキーワードの全リストはaht.txtの「AHTコメント」の項目に記載されています。ここに載っている「min」と「max」は今のところ(ver3.1)動作しないようです。

※4

オリジナルのAHTファイルを一般に公開する場合は、aht.txtで説明されているAHTファイルヘッダをきちんと付けることをおすすめします。

現在の「かんたん入力」ではパラメータ編集ウィンドウが画面からはみ出して表示されてしまうことがあります。気になる場合は「かんたん入力」を外部ツール化したプログラムをこのサイトで公開しているので、よかったら使ってみてください。