7 ラベル(GtkLabel)

サンプル7

 GtkLabelウィジェットは、GTK+のウィンドウ内に編集の必要がない文字列を配置するのに、最も簡便な手段です。例えば、GtkEntryウィジェットのとなりに名前や説明を表示したりするのに使います。

 文字列は、ウィジェット生成時に設定することもできますし、後で、gtk_label_set_text関数やgtk_label_set_markup関数を使って設定することもできます。

 GtkLabelのサイズは、表示する文字列の長さやフォントの設定によって、自動で調整されます。改行(\n)を含む複数行からなる文字列を表示することもできます。

 gtk_label_set_selectable関数を使うと、プログラムのユーザが、文字列を選択したり、選択した文字列をクリップボードにコピーしたりできるようになります。gtk_label_set_selectable関数は、そういったことが必要になる場合にのみ使うようにしてください。例えば、エラーメッセージを表示する場合です。その方が、プログラムが使いやすくなります。

 文字列の行表示の、左寄せ・右寄せ・中央寄せ・両側寄せの設定や、折り返しのオン・オフを変更するには、それぞれ、gtk_label_set_justify関数、gtk_label_set_line_wrap関数を実行します。

 GtkLabelは、文字列の簡単な装飾もサポートしています。1つのラベルの中で、一部の文字を太字にしたり、一部の文字の色やサイズを変えたりといったことができます。

例えば、<b>bold text</b> and <s>strikethrough text</s>のように、Pango Markupフォーマットに従って記述した文字列を、gtk_label_set_markup関数に渡してください。

 また、ラベル文字列には、ニーモニックが設定できます。ニーモニックとは、ウィジェットにキーボードショートカットを実装する仕組みの1つで、プログラム上では、アンダーライン付きの文字として表示されます。Windowsでは、[Alt+(アルファベット)]キーで実行するアレです。

ニーモニックを設定するには、例えば"_File"のように、文字列中の対象キーのアルファベットの前にアンダースコア(_)を付加した上で、gtk_label_new_with_mnemonic関数、もしくはgtk_label_set_text_with_mnemonic関数によってラベル文字列を設定してください。

ニーモニックによるキー操作の動作対象は、基本的に、ニーモニックを設定したGtkLabelを載せたウィジェットです。例えば、ボタンのラベルに設定した場合は、そのボタンになります。ただし、gtk_label_set_mnemonic_widget関数を使うことで、動作対象を他のウィジェットに変更することもできます。

 次のページから、サンプルプログラムのスクリプトを挙げて、それについて説明します。

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