8 エントリ(GtkEntry)

サンプル8

 GtkEntryウィジェットは、プログラムのユーザに短めの文字列を入力してもらうためのウィジェットです。

 プログラムからGtkEntry内の文字列を変更したり、GtkEntry内の文字列を取得したりするには、それぞれ、gtk_entry_set_text関数、gtk_entry_get_text関数を実行します。

 gtk_entry_set_max_length関数を用いると、GtkEntryに入力できる文字数をコントロールできます。

 用途によっては、GtkEntry内の文字列を編集できないようにしたい時もあるでしょう。そのような場合には、引数に0を渡してgtk_entry_set_editable関数を実行してください。

 GtkEntryは、プログラムのユーザからパスワードのようなものを受け取るためにも使えます。パスワードなどを入力させるインターフェースでは、第三者に盗み見られないように、伏せ字にするのが普通ですが、gtk_entry_set_visibility関数によって、そのようなモードのオン・オフを切り替えることができます。引数に0を渡すと、伏せ字になります。

 また、他にも変わったモードを持っています。gtk_entry_set_progress_fraction、gtk_entry_set_progress_pulse_step、gtk_entry_progress_pulseなどの関数を使うと、GtkEntry内の文字列の背後に、何らかの作業の進行度や作業が進行中であることを表すアニメーションを表示させて、プログレスバー(GtkProgressBar)のように振る舞わせることもできます。

 さらに、ウィジェットの役割などをわかりやすくするために、ウィジェット内にアイコンを表示する機能もあります。このアイコンは、クリックされたことを検知したり、ドラッグ可能にしたり、ツールチップを設定したりすることができます。

アイコンをGtkEntry内に表示するには、例えば、gtk_entry_set_icon_from_stock関数を実行します。この関数は、アイコンのソースとしてストックアイテム(GtkStockItem)名を指定しますが、他にも、ファイル、pixbuf形式データ、アイコンテーマをソースとして指定できる関数が用意されています。

アイコンにツールチップを設定するには、gtk_entry_set_icon_tooltip_text関数を使ってください。マークアップされた文字列を表示するために、gtk_entry_set_icon_tooltip_markup関数を使うこともできます。

 次のページからは、例によって、サンプルプログラムのスクリプトとその解説です。

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